交通事故における示談金の計算に関するQ&A
保険会社から提案された示談金が、自賠責基準満額と記載されていたのですが、このまま示談しても大丈夫でしょうか?
相場よりも低額であることがありますので、交通事故に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。
自賠責保険は、公道を走行する場合に法律上加入が義務付けられている保険で、最低限の被害者の補償を行う保険です。
そのため、自賠責保険で支払われる基準(自賠責基準)では相場の金額と大きな差が生じてしまうことがあります。
示談前には、交通事故に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。
後遺障害は残らなかったのですが、自賠責基準の慰謝料と弁護士基準の慰謝料でどのくらい違いがありますか?
事案の内容にもよりますが、大きな金額差が生じることがあります。
傷害分(後遺障害や死亡を除く)の自賠責基準の慰謝料は、①実通院日数✕2✕4300円または②総治療期間✕4300円のうち、どちらか少ない金額です。
たとえば、総治療期間90日、実通院日数40日の場合には、
①40✕2✕4300円=34万4000円
②90✕4300円=38万7000円
となり、①の方が少ないため、34万4000円が自賠責基準の慰謝料になります。
これに対して、弁護士基準の慰謝料は、他覚的所見のない打撲捻挫の場合に90日を基準とすると53万円が目安となり、骨折などの場合には、73万円が目安となります(いわゆる赤い本参照)。
このように、自賠責基準と弁護士基準では、大きな金額差が生じてしまうことがあります。
また、自賠責保険においては1つの自賠責保険で傷害分で120万円が上限となっていることも注意が必要です。
治療費だけでなく慰謝料も含めて120万円が上限となりますので、必ずしも、①実通院日数✕2✕4300円または②総治療期間✕4300円のうち、どちらか少ない金額が自賠責保険から支払われるとは限りません。
いずれにしても、自賠責基準で提案されている場合には、交通事故に詳しい弁護士に相談することが大切です。