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ムチウチの後遺障害

1 ムチウチについて

交通事故に遭った際によく聞く「ムチウチ」は,正式な病名ではありません。

一般的には,交通事故によって首やその周辺の箇所を痛めることを指し,診断書などには「外傷性頸・腰部症候群」などと記載されるものがムチウチにあたります。

むちうちは,直接的な骨損傷がないため,早ければ3か月から6か月で症状固定とされることが多くあります。

しかし,交通事故に伴うケガは,被害者ごとに様々ですから,症状固定の時期については,医師としっかりコミュニケーションを取ったうえで決めるようにしましょう。

2 ムチウチの後遺障害

むちうちが後遺症として等級認定される場合は,主に二通りあります。

ひとつは,「局部に頑固な神経症状を残すもの」という12級13号,もうひとつは,「局部に神経症状を残すもの」という14級9号です。

⑴ 12級13号について

「頑固な」神経症状を残すという12級13号に該当するためには,①他覚的所見により神経系統の障害が証明され,②自覚症状に一致する画像所見と神経学的所見が認められることが必要です。

⑵ 14級9号について

一方,14級9号に該当するためには,①他覚的所見がなくとも神経系統の障害が医学的に推定され,②画像所見がなくても自覚症状を説明する神経学的所見が認められることが必要となります。

3 後遺障害の申請にあたって

後遺症の等級認定のためには,後遺障害診断書を提出して申請を行います。

後遺障害診断書の記載は,後遺障害に該当するか否かを判断する上で重視されますので,医師任せにせず,自覚症状の記載が適切になされているか,神経学的所見の検査が実施されているか等のチェックをすることが重要です。

適切な後遺障害の等級認定を受けるためには,しっかりと準備した上で後遺障害申請を行うことが重要ですので,後遺障害に詳しい弁護士等の専門家に相談してみるのがよいでしょう。