交通事故による「むちうち」等の傷害の治療や後遺症・後遺障害で苦しまれている方のための情報提供サイトです。

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交通事故の慰謝料と通院

1 交通事故の慰謝料

交通事故の被害に遭った方は,加害者あるいは加害者が加入している保険会社から,交通事故によって傷害を被ったことに対する慰謝料(これを,「傷害慰謝料」と言います)を受け取ることができます。

傷害慰謝料の算定基準には,自賠責基準,任意保険会社基準,裁判基準(これは,「弁護士基準」とも呼ばれることがあります。)の3種類があり,それぞれ交通事故で負った傷害の治療のための通院と密接に関わりを有しています。

任意保険会社基準については,各保険会社によって算定基準が異なるため,以下では,自賠責基準と裁判基準について解説をしたいと思います。

2 自賠責基準について

自賠責基準における傷害慰謝料は,「①4200円×実際に通院した日数×2」で計算される金額と,「②4200円×総通院期間」で計算される金額のどちらか低い方となります。

例えば,総通院期間60日,実際に通院日数15日という場合,①の計算式だと,4200円×15日×2=12万6000円となり,②の計算式だと,4200円×60日間=25万2000円となりますので,低い①の金額が傷害慰謝料として支払われることになります。

3 裁判基準について

裁判基準における慰謝料は,日弁連交通事故相談センター東京支部が発行している「損害賠償額算定基準」(「赤い本」と呼ばれることが多いです。)や,日弁連交通事故相談センターが発行している「交通事故損害賠償額算定基準―実務運用と解説―」(「青本」と呼ばれることが多いです。)に記載のある慰謝料額の基準表と参考に,傷害慰謝料額が決定されるのが一般的です。

例えば,交通事故でムチウチになり,30日間の通院を要したという場合だと,赤い本に記載されている慰謝料額に関する基準表の別表Ⅱを参考に,19万円前後が傷害慰謝料として支払われる場合が多いかと思われます(もちろん,各事案の具体的な事情によって,基準表記載の金額よりも増減する場合があります。)。

4 まとめ

以上のとおり,自賠責基準,裁判基準による傷害慰謝料の額は通院の回数や期間によって左右されます。

より詳しく傷害慰謝料額についてお知りになりたいという方は,一度弁護士に相談してみることをおすすめします。