交通事故における治療費と過失割合について
1 過失割合とは
交通事故における過失割合とは、交通事故が発生した場合のその事故に対する責任の割合のことをいいます。
たとえば、過失割合がAさんとBさんとで、2対8という場合には、その事故が発生した責任の2割がAさんにあり、8割がBさんにあるとされます。
この過失割合に応じて、受け取ることができる損害賠償金額が変わってくるため、交通事故が起こった際には、過失割合には特に注意が必要です。
2 交通事故における治療費が減額されることがある
交通事故が発生し、怪我をして病院等で治療した場合には、交通事故の加害者である相手方が治療費の全額を負担するべきだと考える人もいます。
しかしながら、怪我をした方の被害者に過失がある場合には、治療費の請求分も、過失割合に応じて減額されることになります。
3 過失割合は誰が決めているのか
このように、過失割合がどの程度であるかということは、交通事故の治療費などの損害賠償額を算定するにあたって非常に重要な事項となります。
交通事故の現場では、警察官が過失割合に言及することがありますが、この警察官の過失割合に関する言及は決して決定事項ではなく、あくまで当該警察官の見解として考える必要があります。
警察官は多くの事故現場を観察し、交通事故に関する勉強もしていますので、上記のような言及が大きく外れることは少ないかもしれませんが、その時点では決定事項ではないため鵜呑みにしてしまうことは注意しましょう。
交通事故の過失割合を決めるのは、示談や和解であれば当事者同士、裁判で判決が下される場合には裁判官です。
4 過失割合の決定時には注意しましょう
このうち示談や和解で過失割合を決めるときには、慎重に決定するべきです。
というのも、通常示談交渉を行うのは、交通事故の加害者本人ではなく加害者が加入している保険会社の担当者である場合が多く、保険会社は営利企業としての側面を持っているため、被害者に対して不利な過失割合を提示して示談を取り交わそうとする可能性がゼロではないためです。
交通事故の過失割合で困った場合には、詳しい弁護士に相談されることをおすすめします。